こんにちは!

 

前回に引き続き、今回もマイケル鶴岡さんへのインタビュー回です。

 

前回の内容はこちら→

「ソウルダンスって何?マイケル鶴岡さんにインタビュー!③~ダンスコンテストとKING OF SOUL~」
https://mimic-studio.com/blog/soul_interview3/

 

第1回はこちら→

「ソウルダンスって何?マイケル鶴岡さんにインタビュー!①~ソウルダンスの歴史~」
https://mimic-studio.com/blog/soul_interview1/

 

前回はソウルダンスのダンスコンテストやテレビ番組について、そしてマイケル鶴岡さん、ニック岡井さん、ドン勝本さんらで結成したダンスユニット「KING OF SOUL」について教えてもらいました。今回はマイケル鶴岡さんに、ズバリ「ソウルダンスの魅力」をお聞きしました。これからソウルダンスを始めようとしている人へのメッセージもいただいたので、ぜひ最後まで読んでくださいね!

 

 


マイケル鶴岡さんが思う、ソウルダンスの魅力はなんですか?


やっぱりね、ソウルダンスってルーツは黒人なのよ。アフリカ人のリズム感といったら真似できない。だからよ、運動でもそうだけどさ、短距離走とかもう黒人的な人には叶わないでしょ。 カリブとかジャマイカとかも強い人もいるけど、大体、みんな黒人じゃん。身体能力が、育ってきた環境が、もう違うわけさ。僕らは子供の頃、ドラム叩いたり、道端で踊ったりとかしてないわけ。

アフリカには遊び道具がないから、拾ったフライパン叩いたりとか、同じステップ踏んだりとか、歌うやつもいればさ、壊れたピアノ弾いているやつもいれば、もう街に1個しかないサッカーボールで遊んだりとかしている。貧しさが故かもしれないけれども、そこから突出するものが出てくるわけです。

で、その1つがソウルダンスで、僕らがその真似をしても、追いつかないものがある。だから、ソウルダンスの魅力は「かっこいいな」っていうのが1番。

 

今のヒップホップの黒人のラップとかも、日本人がやったらなんかダサい。ラップも日本語だとなんかかっこ悪く聞こえちゃうんだよね。

だから、そういうもののかっこよさの魅力のルーツは黒人なの。アフリカなの。
アフリカから奴隷でアメリカに連れてこられたアフロアメリカンがルーツだね。その人たちが、元々は奴隷だから、嘆きとかを歌にしてた。
「俺たちゃ毎日綿をつみ~」みたいなさ、「帰れば豆食って寝るんだべ~」みたいなさ、そういうのがブルースになったわけだ。
それがだんだん教会とかそういうところに集まって、今度ちょっとリズムが良くなってきた。そこに、太鼓とかタンバリンとか、そういうのが入ってきてまたリズムが良くなった。それがリズムアンドブルースの始まり。

で、社会の封殺というか、その嘆きから、今度は愛だ恋だのが歌詞になってきたわけ。今までそういうの言っちゃいけなかったんだよ、奴隷は。反発を得ながらも、神様に対しての愛だ恋だっていうのを表現してた。

でも、男女の間で愛だ恋だっていうのはまだ言っちゃいけなかったの。それを、勇気あるシンガーが歌い出した。いろんな方面から賛否両論あったけど、男女の愛だ恋だを歌い続けた。で、どっかのモーテルで射殺されちゃった。それがサム・クックという偉大なソウルシンガー。
その人を崇拝していたり友達だったりした人達が「歌い続けなきゃいけない。サム・クックの意志を継ごう」という綺麗な物語があった。

あと、お金が儲かるというのもあって、サム・クックはレコードを発売したり、いろんなところで講演をしたりして、金が儲かったの。それまでの歌手は教会で歌うだけだから、金儲かんない。その日集まったお金を牧師さんがほとんど持ってっちゃうからね。

綺麗な物語の方だと、サム・クックの意思を継いで後を行く人たちが何人も出てくるわけよ。その頃には、愛だ恋だも自然と歌えるようになってくるわけ。
そこに、女性で言えば1番有名なアレサ・フランクリンという歌手がいた。その人も、元々教会で歌っていた人。
お父さんが牧師さんで、お父さんの教会で歌っていた。その後アレサ・フランクリンは世界的シンガーになったから。もう、お金儲かっちゃったのよ。だけど、親父が悪いやつでね、みんなお金を吸い取っちゃって、仲たがいになるわけだよ、親とね。そんな映画もありますけれども、そうやって黒人音楽は繋がっていくわけです。

 

リズムアンドブルースの中で、だんだん「ソウル」という言葉が使われてくるんだよね。ソウル=魂だから、「俺の歌には魂が込められてるんだ」ということからの、ソウルミュージック、ソウルシンガー、ソウルダンサーという風に繋がっていくわけだよね。

そういった黒人のかっこよさをなんとか自分で、習得して、同じように踊れたらいいなと。

で、音楽には必ずダンスがついてまわってるわけよ。特にアップテンポの曲はね。だから、「あ、この曲いいね」「この曲だったらこういうダンスいいね」とか、「この曲でこんな踊りしてたよ」とかいうのが、だんだん、だんだん広がっていく。自分の中でも広がっていくっていうのが、僕の中のソウルダンスの魅力。


でもさ、さっきも言ったけど、黒人とはもうね、出来が違うのよ。もうかっこいい。だってさ、もう何にも鍛えてないのに、ムキムキの人いるでしょ。別に鍛えていなくても普通に筋骨隆々だからね。ま、そうじゃない人もいるけど。

だから、骨格から何から違うし、声量とかそういうのも、7オクターブ出るとかさ、なかなかいないじゃん。最近はスポーツも、やっと日本人がやれ決勝だなんだ出るようになったけど、もう黒人とは歴が違うから、そこの魅力っていうのも、かっこよさしかない。で、そこに追いつかないからこそ、また、いいんだね。

 

 

 

追い続けることが楽しいということでしょうか。


そうそう、やつらも進化してるから、こっちが「まあ、そこそこ行けたな」って思っても、また次へ次へ行っている。「またこんなこと始めたよ」みたいな。
だから、アメリカの中でもソウルダンスっていう名前のカテゴリーはある。ただ、じゃあ、どっからどこまでかっていうのが、難しい。アメリカでも定まってない。いろんなジャンルを超えた、もしくは集めた、シンガー、ダンサー、ミュージシャンがいるし。そういう人たちが、また1つのカテゴリーを作るかもしんないよね。
だって昔はそれこそ、ほら、ブルースとかなかったわけだ。

 

 


未だにソウルダンスは変化しているんですね。


ここからここまでがソウルダンスだってのはないのね。だから、ソウルダンスが好きで踊っていますっていう人はいるけど、じゃあ、あなたのどれがソウルダンスなの?じゃあ違う踊りはなんなの?という、この違いがわかりづらいよね。

私はソウルダンサーですっていうやつがいたら、もうほんと反対に連れてきてほしい。
ま、でも、少なくとも俺はソウルダンサー。ソウルダンスしか踊らない。踊れない。

 

 

 

最後に、これからソウルダンスを始める人に向けて、メッセージをお願いします。


今はダンススクールとかいっぱいあるわけじゃん。昔はなかったの、スクールなんて。だから、当時は黒人が踊ってるのを真似して盗む、かっこいい日本人の先輩にちょっと踊り方教えてもらう、みたいなことしかできなかった。映像も撮れないし。

 

でも、今はヒップホップのスクールとかね、いっぱいあるからさ。そういうダンスの中から、これかっこいいなって思ったのがたまたまソウルダンスだったとかあるわけだから。ま、とにかくなんでもいいから踊ってほしい。リズムに合わせて体を動かす。これがダンス。そのリズムの取り方も感じ方も人それぞれ違うわけじゃん。それでいいと思うんだよ。

で、「あ、この先生のこのダンスかっこいいな」ってなって、たまたまそれがソウルダンスだったっていうんであれば、好きだったらちょっとこう、探ろうよ。
じゃあ、この先生のソウルダンス、他にはどういうのがあるんだとかさ、この先生のまた先生は誰なんだとかさ。そんなところにたどり着いてくれたら嬉しいなと。


今、僕のそばにいる、小幸という女性のダンサーがいて、ワックっていうジャンルを得意としているダンサーなんだけど、ダンステリアという勝本さんが経営してたディスコに遊びに来ていたりとかもしたから僕はその子を20歳から知ってて、その子もソウルダンス好きなわけ。

そのずっと好きな気持ちがあって今、ソウルダンスのスクールのコーナーを持ってる。そこの生徒さんたちと小幸は、たまにダンテナイトっていうダンスイベントに遊びに来たり、なんかの機会にショータイムを、やったりとかしてる。
小幸の生徒さん、20代ももちろんいますけれども、ソウルダンスに興味を持っている人たちが、少なくともいるんだよね。だから、他力本願だけど、そういう人たちが時代をこう繋げてくれればさ、良いと思う。だから、とにかく音リズムに合わせて体を動かすダンスを始めましょうよ。

今さ、なんか中学校でダンスの授業あるんでしょ。そういうのとかさ、あと部活動とかでどっかの高校のなんとかチームがダンスで全国大会優勝しましたとかあるじゃない。そういう人たちが、ダンスのルーツをちょっとでも探ってくれれば、「あ、この踊りって元々こうなんだ」みたいなところにたどり着いてくれればさ、嬉しいね。だって、いきなりそのダンスの動きができたわけじゃないんだよ。そのパターンって、なんか昔使われていたものなのよ。「これ、ちょっとあれと似てるよね」って。それが真似なのか、パクリなのか、継承なのかっていうところ、難しいとこだよね。

 

 


ちなみに、マイケルさんはスクールとか開いているんですか?


定期的にはもうやっていません。だから、なんかのイベントとか。人からの依頼とかあればやってる。「何人か集めるんでちょっと来てもらえませんか」とかね、そういうやつ。でも、1番お金になってるのは、芸能の方の振り付け。

 

 


今、キットクルーさんとソウルダンスについての動画も準備されているとのことですが

 

僕ね、動画をなんだかんだ早く出してよって言ってるんだよね。俺はアンチマイケルを待ってるんだよ。よくコメントでさ、なんかほら攻撃的なやつがいるじゃん。

そういうの大好きなの。言ってこいよって、もういくらでも。
戦うって言うとおかしいけど、こっちが言ってることに間違いはないから。だから、それは、こうですよ、ああですよっていうのは、もういくらでも言えるから。アンチマイケル、待ってんだよ。

 

 

 


 

ソウルダンスの魅力は黒人ルーツのそのかっこよさにあるんですね!マイケル鶴岡さんの、アフリカの方やアフリカ系アメリカ人の方への大きなリスペクトがずっと感じられるインタビューとなりました。

黒人の方のかっこよさに、我々日本人は追いつけないから、いつまでも追いつづける。そこがソウルダンスをはじめとした黒人文化の魅力なのかもしれません。

 

そして、マイケルさんいわく「とにかく踊ってみろ」とのことだったので、ソウルダンスに興味がある方はぜひ始めてみてください!

 

次回からは、フィットネスクラブなどで実際にソウルダンスのレッスンをしている2名の先生方にお話をお聞きします。お楽しみに!